エチオピア航空604便不時着事故は、1988年9月15日に発生した航空事故である。ボレ国際空港発アスマラ国際空港行きだったエチオピア604便(ボーイング737-260)が、経由地のバハルダール空港(英語版)を離陸直後にバードストライクを起こし、両エンジンが停止した。パイロットは空港外への胴体着陸を行ったが、機体は衝撃により炎上し、乗員乗客104人中31人または35人が死亡した[1]。
事故機
事故機のボーイング737-260(ET-AJA)は、エチオピア航空に納入されて1年未満の新造機で、2基のプラット・アンド・ホイットニー JT8D-17Aを搭載していた[1]。
事故の経緯
604便は、ボレ国際空港からバハルダール空港(英語版)を経由してアスマラ国際空港へ向かう便だった。バハルダール空港までの飛行に異常はなかった[2]:51[1][3]。
604便は離陸滑走を開始し、離陸速度付近まで正常に加速した。離陸直前に、パイロットは前方左側からウロコカワラバト(英語版)の群れが飛び立つのを見た。離陸直後に機体はハトの群れに突っ込み、大きな音が鳴った。このとき、機体の速度は146ノット (270 km/h)であった。バードストライクにより、機体の電力供給に問題が発生しており、スラストレバーは最大にされていた。この時点では、まだ片方のエンジンが辛うじて作動していたため、機体は上昇した。機長は右旋回で空港への引き返しを試みた[1]。
衝突後32秒で、機体はおよそ300フィート (91 m)ほど上昇し、速度も154ノット (285 km/h)まで加速した。しかし、エンジンはどちらもサージングを起こしていたため、機長は推力を減らした。地上から約700フィート (210 m)、速度173ノット (320 km/h)で604便は、滑走路04へのダウンウインドレグを開始した。ダウンウインドレグの最中、もう一方のエンジンも停止し[4]、副操縦士は前方右側に開けた土地があることを指摘した。機長はその場所へ胴体着陸を行った。衝撃により、火災が発生した[1]。
死者数は35人[1]、または31人とされており、矛盾が生じている[4][5][6]。また、死者は全員乗客であった[1]。
関連項目
脚注