エクストラック [ 2] (Xtrac ) は、英国の陸上輸送機用トランスミッション の専門製造者である。事業展開はモータースポーツ と高性能乗用車にほぼ特化している。
日本語表記では「エックストラック」とする場合もある[ 3] 。
概要
モータースポーツ (自動車、モーターサイクル) 用車両と高性能乗用車のトランスファー やギアボックス などトランスミッションシステムを専門に開発、製造する営利法人である。製造にあたっては鋳造や切り出しなどの加工をすべて社内で行っており、"Xtrem"、"Xtec"と呼ばれる独自の仕上げ技術も保有している[ 4] 。本部は創業地の英国に所在し、米国に現地法人を設置している。
自動車スポーツではラリー からシングルシーターまで分野や車両属性に関わらず幅広く手がけており、過去いくつかのフォーミュラ1 チームへも供給していた[ 5] 。各ジャンルの特性に則した既製品を揃えており、インディカー・シリーズ 、英国ツーリングカー選手権 、ル・マン・シリーズ[ 脚注 1] (LMP3 クラス)、IMSAプロトタイプ・チャレンジ 、TC2000アルゼンチン選手権 にはワンメイク で供給している。また特注対応やエンジンまたはシャシ 製造者との共同開発も行っている。
高性能乗用車ではメルセデスAMG 、マクラーレン 、パガーニ に採用されているほか、ハイブリッド 用や小型電気自動車用のトランスミッションも手掛けている[ 6] 。
沿革
[ 7]
エクストラックで駆動系を構成したラリークロス仕様のフォード・エスコート
1984年、ヒューランド・エンジニアリング の技術者であったマイク・エンディーン (Mike Endean ) が、ラリークロス 用フォード・エスコート の4WD トランスファー とギアボックス を製造するため、ウォーキンガム のフィンチャンプステッド で創業した。その時の社屋は中華料理店裏の貸倉庫であった。以後ラリー を足掛かりにモータースポーツ界での信用を獲得した[ 8] 。
1986年、フォーミュラワン チームのウィリアムズ やハース で就業した経歴を持つピーター・ディグビー (Peter Digby ) が経営に加わり、F1 界での人脈が拡がる[ 9] 。
1997年、創業者のエンディーンはディグビーへ会社を売却して引退した。
2000年、サッチャム に開設した新工場へ本社を移転する。インディカー・シリーズ へワンメイク で供給を開始する[ 10] 。
2003年、インディアナポリス に米国法人を設立する。
2011年、高性能乗用車のパガーニ・ウアイラ に採用される。
2015年、エイドリアン・ムーア (Adrian Moore ) が業務執行役員に就任し、ディグビーは会長となる。ル・マン・シリーズ (LMP3 クラス) へワンメイクで供給を開始する[ 11] 。
2018年、元英国フォード 会長でジャガー・ランドローバー 最高経営責任者のジョー・グリーンウィル CBE (Joe Greenwell CBE ) が会長に就任した。
独占供給先
脚注
出典
外部リンク