エアロゾンデ
1998年、大西洋上空のエアロゾンデ
用途 :観測機
製造者 :エアロゾンデ社
運用状況 :現役
エアロゾンデ (Aerosonde)は、気象観測 などに用いられる無人航空機 。アメリカ合衆国海軍研究局 (英語版 ) の出資により開発され、オーストラリアのエアロゾンデ 社によって生産されている[ 1] 。
開発
当初はアメリカ合衆国のインシツ (英語版 ) とオーストラリアのエンバイロメンタル・システムズ・アンド・サービスズ(Environmental Systems and Services)によって開発されていた[ 2] 。1995年、UAS専門の企業としてエアロゾンデ社が設立され、初期モデルが科学分野に販売された。1997年には自律制御により初飛行している[ 1] 。
1998年、オーストラリア気象局 による総合試験を通過した[ 1] 。同年大西洋横断に成功している。
2006年、エアロゾンデ社はAAIにより買収されたが、生産・開発は引き続き行われた。
2009年5月18日、アメリカ合衆国国防総省 により、型番XMQ-19が付与された[ 3] 。
2010年1月14日には、M80 スティレット からの発進、回収実験にも成功している[ 4] 。
大西洋横断
シアトル航空博物館 に展示されているライマ
1998年8月20日、ライマ(Laima)と命名されたエアロゾンデ Mark3がニューファンドランド・ラブラドール州 のベル島空港 に停車した車から離陸、26時間45分をかけて2,044マイルを飛行し、翌日イギリスのヘブリディーズ諸島 のベンベキュラ島 にあるイギリス国防省の試験場に着陸した。この飛行は、離着陸は人間による制御であり、飛行はプログラムによるものであったが、無人航空機としては初の大西洋横断飛行となった[ 5] [ 2] [ 6] 。また、これは2003年8月11日にen:The Spirit of Butts Farm により更新されるまで最小の機体による記録となった[ 7] 。
運用
気象調査、海面観測などの科学調査目的で運用されている。軍用機としては偵察機としての運用が考えられている。
日本の気象庁気象研究所でも2000年から2004年にかけてエアロゾンデを使用した台風、梅雨前線の観測実験を行った。[ 8]
要目
ライマ
出典: The Museum of Flight[ 5] [ 注 1]
諸元
乗員: 0
全長: 1.72822m (6フィート)
全高: 0.6096m (2フィート)
翼幅 : 2.94742m(10フィート)
翼面積: 0.56669m2 (6ft2 )
有効搭載量: 13.109kg (29ポンド)
動力: 塩谷製作所 R120改 模型飛行機 用4サイクル エンジン、 × 1
性能
巡航速度: 82.059km/h (51ノット)
航続距離: 3288.8km (2,044マイル)
4.7
出典: AEROSONDE MARK 4.7:REDEFINING EXPEDITIONARY[ 10]
諸元
乗員: 0
全長:
全高:
翼幅 : 3.6m(11.8フィート)
有効搭載量: (10ポンド)
最大離陸重量 : 17.5(J)/25(K)kg (38.6(J)/55(K)ポンド)
動力: 4サイクル ガソリン直噴エンジン (Kは2気筒)、 × 1
Jは標準型、Kはエンジン強化型
性能
最大速度: (62 - 80ノット)
巡航速度: (50 - 60 ノット)
実用上昇限度: 4500m (15,000フィート)
*滞空時間 :10時間以上
注
^ ライマはMark3に相当する[ 9]
出典
^ a b c “Product Development History ”. Aerosonde. 2012年9月25日 閲覧。
^ a b “Transatlantic crossing attempt by Aerosonde miniature autonomous aircraft moving ahead with new itinerary ”. University of Washington News and Information (1998年8月10日). 2012年9月25日 閲覧。
^ Andreas Parsch (2011年2月26日). “DOD 4120.15-L - Addendum MDS Designators allocated after 19 August 1998 (until December 2010) ”. 2012年9月25日 閲覧。
^ Textron Inc (2010年1月14日). “AAI Conducts Successful Shipboard Trials of the Aerosonde(R) Mark 4.7 Small Unmanned Aircraft System ”. 2012年9月25日 閲覧。
^ a b “Insitu Aerosonde Laima Insitu Aerosonde Laima ”. The Museum of Flight (2012年8月11日). 2012年9月25日 閲覧。
^ Tad McGeer. “LAIMA: THE FIRST ATLANTIC CROSSING BY UNMANNED AIRCRAFT ”. 2012年9月25日 閲覧。
^ “The Spirit of Butts Farm ”. Historic Wings (2012年8月11日). 2012年9月25日 閲覧。
^ “Baiu Hunter 2004 エアロゾンデ観測の概要 ”. 気象庁気象研究所. 2013年7月2日 閲覧。
^ “Aerosonde ”. AAI. 2013年10月7日 閲覧。
^ “AEROSONDE MARK 4.7:REDEFINING EXPEDITIONARY ”. AAI Corporation. 2012年9月25日 閲覧。
外部リンク
陸軍航空隊 陸軍航空軍 1942 - 1948
空軍 1948 - 1962
海軍 1923 - 1962
対潜ドローン (DS) 爆撃ドローン (BD) 標的ドローン (TD) ドローン (KD)
命名法改正 1962 -