『イート・エム・アンド・スマイル』(Eat 'Em and Smile)は、デイヴィッド・リー・ロスが1986年に発表したスタジオ・アルバム。ソロ名義では初のフルレングス・アルバムに当たる。
解説
ソロ活動に専念するため1985年にヴァン・ヘイレンを脱退したロスは、スティーヴ・ヴァイ(元フランク・ザッパ・バンド〜アルカトラス)、ビリー・シーン(元タラス)、グレッグ・ビソネットといった技巧派のプレイヤーを集めて、自分のバンドを結成した。
本作には、新たに書き下ろされた6曲に加えて、ビリー・シーンが率いていたバンド、タラスの楽曲「シャイボーイ」のリメイクと、カヴァー3曲が収録された。「シャイボーイ」はシーンがその後に加入するMR. BIGのライブにおいても演奏され、その模様はライブ・アルバム『Live』やDVD『Back To Budokan』に収録されている。
本作からのシングルは、「ヤンキー・ローズ」(全米16位[1])、「ゴーイン・クレイジー!」(全米66位[1])、ザッツ・ライフ(全米85位[1])の3作がBillboard Hot 100へのチャート・インを果たし、「タバコ・ロード」は『ビルボード』誌のメインストリーム・ロック・チャートで10位に達した[1]。
本作発表の同年には、全曲をスペイン語詞で歌い直したヴァージョン『Sonrisa Salvaje』もリリースされた[10][出典無効]。
なお、アルバム名を訳すと「奴らを食って、笑ってやる」となり、これはヴァン・ヘイレンに宛てたメッセージであり、それに対し、ヴァン・ヘイレンも1988年に『OU812』というアルバムを出している(「Oh, you ate one, too(ああ、お前も同じものを食ったのか)」をもじったもの)。
収録曲
特記なき楽曲はデイヴィッド・リー・ロスとスティーヴ・ヴァイの共作。
- 「ヤンキー・ローズ」 - "Yankee Rose" - 3:47
- 「シャイボーイ」 - "Shy Boy" (ビリー・シーン) - 3:23
- 「アイム・イージー」 - "I'm Easy" (ビリー・フィールド、トム・プライス) - 2:03
- 「レイディース・ナイト・イン・バッファロー?」 - "Ladies' Nite in Buffalo?" - 4:08
- 「ゴーイン・クレイジー!」 - "Goin' Crazy!" - 3:21
- 「タバコ・ロード」 - "Tobacco Road" (ジョン・D・ラウダーミルク) - 2:27
- 「エレファント・ガン」 - "Elephant Gun" - 2:23
- 「ビッグ・トラブル」 - "Big Trouble" - 3:56
- 「バンプ・アンド・グラインド」 - "Bump and Grind" - 2:42
- 「ザッツ・ライフ」 - "That's Life" (ディーン・キー、ケリー・ゴードン) - 2:29
他メディアでの使用例
- ヤンキー・ローズ
- バンプ・アンド・グラインド
- 1987年公開のアメリカ映画『レス・ザン・ゼロ』のサウンドトラックで使用された[13]。ただし、同作のサウンドトラック・アルバムには収録されていない。
パーソネル
アディショナル・パーソネル
脚注