イセヒカリは、日本のイネの品種名および銘柄名。
概要
イセヒカリは、コシヒカリの突然変異種といわれる。1989年に伊勢神宮の神田で発見された。1996年1月16日、酒井逸雄少宮司は皇大神宮御鎮座二千年を記念して「イセヒカリ」と命名。現状では未品種登録で各県の奨励品種にはなっていないが、硬質米タイプのため、その由来(皇室米)からもコメ輸出向きの品種と寿司米・神酒米に期待される[1][2]。
育成経過
1989年、伊勢地方を台風が2度襲った。被害を受けた神宮神田[3]「西八号田」のコシヒカリは完全に倒伏したが、中央に2株並んで直立している稲があることを神田事務所の森晋(作長・神田管理責任者)[4]が発見し、試験栽培を試みる。
普及
- 1995年(平成7年) - 岩瀬平 [5][6][7](山口イセヒカリ会代表・元山口県農業試験場長)と山口県の篤農家4名が試験栽培を始める[8]。
- 1996年(平成8年)- 4月12日、山口県神社庁長に酒井逸雄少宮司より「イセヒカリ種籾」3升が授けられた[9]。神宮神田2町9反のうち水田3枚(45アール)で本格栽培され、神宮祭から神前に供された。
- 1997年(平成9年) - 神宮は「門外不出」としてきた先例を改め、種籾を各地の神社に下賜された。
- 2002年(平成14年)- 12月5日、山口イセヒカリ会吉松敬祐により、平成8年から系統選抜した8系統の中から系統番号2号(イセヒカリ2号)を「イセヒカリ原種」として扱うことを藤岡神宮少宮司が了承[10]。
- 2005年(平成17年)- 3月11日、商標登録第4846128号 (株式会社 陽光)[11]。
- 2011年(平成23年)- 11月、山口商工会議所は「山口アクティブエイジングシティ構想」で「イセヒカリ」を山口県のブランド米として育成することを提案[12]。
- 2013年(平成25年)- 出雲イセヒカリ会が発足[13]。
生育・特性
中生(なかて)でコシヒカリよりも稈が太く、下位節間が短いので耐倒伏性が強い。二次枝梗籾数が多く多収で耐病性もあり、甘味はコシヒカリ以上。蛋白質は低く硬質米であるため酒米にも向いている[14][15][16][17]。炊飯には十分に水に浸すこと。寝る前に仕掛けて朝炊いた昔の炊き方(6時間は水に浸す)が基本になる。
原種管理
脚注
参考文献
関連項目
外部リンク