アリ/ザ・グレーテスト

アリ/ザ・グレーテスト
The Greatest
監督 トム・グライス英語版
脚本 リング・ラードナー・ジュニア
原案 モハメド・アリ
原作 ジャビール・ハーバート・ムハンマド
リチャード・デュラム
製作 ジョン・マーシャル
出演者 モハメド・アリ
アーネスト・ボーグナイン
ジェームズ・アール・ジョーンズ
ロバート・デュヴァル
音楽 マイケル・マッサー
撮影 ハリー・ストラドリング・ジュニア
編集 バイロン・ブラント
製作会社 ブリティッシュライオンフィルムズ英語版
EMIフィルムズ英語版
コロンビア ピクチャーズ
公開 アメリカ合衆国の旗 1977年5月19日
日本の旗 1977年10月22日
上映時間 101分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
イギリスの旗 イギリス
言語 英語
興行収入 380万ドル[1]
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アリ/ザ・グレーテストThe Greatest)は、アメリカ合衆国ボクサーモハメド・アリの生涯を描いた1977年のスポーツ伝記映画である。アリが自身の役で出演し、トム・グライス英語版が監督した [2]1960年ローマオリンピックから、1974年ジョージ・フォアマンと対戦して劇的なKO勝利を収めヘビー級王座を獲得する「キンシャサの奇跡」までを描く。ボクシングの試合映像は、ほとんどが当時の実際の映像である。

モハメド・アリがハーバート・モハメッド、リチャード・デュラムと共に著し、トニ・モリスンが編集した自伝『世界最強の男―ムハマッド・アリ自伝英語版』(The Greatest: My Own Story)を原作としている[3]

マイケル・マッサーが作曲してリンダ・クリードが作詞し、ジョージ・ベンソンが歌った曲『グレイテスト・ラヴ・オブ・オール英語版』(The Greatest Love of All) は、後にホイットニー・ヒューストンがカバーした。

マッサーが作曲した『アリ・ボンバイエ』(Ali Bombaye) は、映画公開前年の1976年に格闘技世界一決定戦で対戦した日本のプロレスラーアントニオ猪木へアリが寄贈した[4]。猪木はアレンジした『炎のファイター 〜INOKI BOM-BA-YE〜』を入場曲としている。

キャスト

役名 俳優
モハメド・アリ 本人
アンジェロ・ダンディー英語版 アーネスト・ボーグナイン
フェルディ・パチェコ英語版医師 ジョン・マーリー英語版
ジャビール・ハーバート・ムハンマド ロイド・ヘインズ英語版
ビル・マクドナルド ロバート・デュヴァル
クルックシャンク デヴィッド・ハドルストン
ホリス ベン・ジョンソン
マルコムX ジェームズ・アール・ジョーンズ
ベルベット・グリーン ダイナ・メリル英語版
ソニー・リストン ロジャー・E・モーズリー
エクスリッジ氏(弁護士) ポール・ウィンフィールド
ベリンダ・カリラ・アリ アナゼット・チェイス英語版
ルビー・サンダーソン ミラ・ウォーターズ
ドリュー・バンディーニ・ブラウン英語版 本人
ペイトン・ジョリー マラキ・スローン英語版
Colonel Cedrich リチャード・ベンチャー英語版
カシアス・マーセラス・クレイ・シニア アーサー・アダムス
ラハマーン スタック・ピアス英語版
カラーラ ポール・マンティ英語版
Major Canlan スキップ・オーマイアー英語版
the Captain デヴィッド・クレノン
スージー・ゴメス ナイ・ボネット英語版
若き日のカシアス・クレイ(モハメド・アリ) チップ・マカリスター英語版

ラーマン・アリ英語版ハワード・ビンガム英語版、ハロルド・コンラッド、ドン・ダンフィー英語版ロイド・ウェルズ英語版、パット・パターソン、ジーン・キルロイが本人役で出演している。

ルビー・サンダーソンとその恋人で妻となったベリンダ・ボード、一時期アリのマネージャーを務めていたイライジャ・ムハンマドの息子ハーバート・モハメドなど、主要な人物を含めて無名の役どころが多い。

アナゼット・チェイスが演じているベリンダ・カリラ・アリ(モハメド・アリの妻)の役は、当初はロネット・マッキー英語版が演じる予定であった[5][6]

サウンドトラック

全ての楽曲はマイケル・マッサーが作曲し、マッサーとリー・ホールドリッジ英語版が編曲している。

Side 1
#タイトル作詞作曲・編曲時間
1.The Greatest Love of All英語版(George Benson)Linda Creed 
2.「I Always Knew I Had It in Me」(Benson; version 1)Gerry Goffin 
3.「Ali's Theme」(Masser) 
Side 2
#タイトル作詞作曲・編曲時間
1.「Ali Bombaye (Zaire Chant) I」(Masser and Mandrill英語版) 
2.「Ali Bombaye (Zaire Chant) II」(Masser and Mandrill) 
3.「The Greatest Love of All」(Masser) 
4.「Variations on Theme」(Masser) 
5.「I Always Knew I Had It in Me」(Benson; version 2)Goffin 

評価

ニューヨーク・タイムズ』紙のヴィンセント・キャンビーは、「ハリウッドではもうあまり作られていないような魅力的な骨董品」と評価した[7]。『ロサンゼルス・タイムズ』紙のケビン・トーマス英語版は、「活気に満ちた楽しいポップな伝記映画であり、手に負えない世界ヘビー級ボクシング王者に対して将に我々に望んでいるイメージを投影している」と評した[8]。『シカゴ・トリビューン』紙のジーン・シスケルは、この映画に4点満点中の2.5点をつけ、「気晴らしになるエンターテイメントとして、『ザ・グレーテスト』は満足以上のものだ」と書いている[9]。『バラエティ』誌のアーサー・D・マーフィーは、「アリはこの映画に権威と存在感をもたらし、ジョン・マーシャルの作品をどんな映画のバイオグラフィーにも内在する限界を超えたものにしてくれた」と述べた[10]。『マンスリー・フィルム・バレッティン英語版』誌のデビッド・バダーは、「『ザ・グレーテスト』は、アリの最もよく知られた功績を綴った聖人伝的な作品であり、独特で気まぐれな性格を存分に発揮しているが、その過程で自由に白塗りをしている」と述べている[11]

脚注

  1. ^ “Big Rental Films of 1977”. Variety: 21. (January 4, 1978). https://ameblo.jp/ayumi-niwano/entry-12254606587.html. 
  2. ^ Canby, Vincent (May 21, 1977). “The Greatest (1977) Ali's Latest Victory Is 'The Greatest'”. The New York Times. 2021年2月15日閲覧。
  3. ^ The Greatest”. www.nytimes.com. 2021年2月15日閲覧。
  4. ^ フジテレビトリビア普及委員会『トリビアの泉〜へぇの本〜 1』講談社、2003年。 
  5. ^ Lucas, Bob (11 November 1976). “Angry McKee Quits Greatest And Goes To Pryor Film”. Jet. https://books.google.com/books?id=9kIDAAAAMBAJ&q=annazette+chase&pg=PA119 25 April 2016閲覧。. 
  6. ^ “People: June Allyson to wed; Gershwin home saved”. Ottawa Citizen. (27 October 1976). https://news.google.com/newspapers?nid=2194&dat=19761027&id=yckyAAAAIBAJ&pg=3989,5195494&hl=en 25 April 2016閲覧。 
  7. ^ Canby, Vincent (May 21, 1977). "Ali's Latest Victory Is 'The Greatest'". The New York Times. p. 13.
  8. ^ Thomas, Kevin (May 19, 1977). "Ali Piles Up Points in 'Greatest'". Los Angeles Times. Part IV, p. 14.
  9. ^ Siskel, Gene (May 23, 1977). "'The Greatest' isn't the greatest, but takes an entertaining jab at it". Chicago Tribune. Section 3, p. 9.
  10. ^ Murphy, Arthur D. (May 25, 1977). "Film Reviews: The Greatest". Variety. 21.
  11. ^ Badder, David (September 1977). “The Greatest”. The Monthly Film Bulletin 44 (524): 192. 

外部リンク

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