わたつみ石(わたつみせき、 Watatsumiite)は、2003年に発表された日本産新鉱物で、国立科学博物館の鉱物学者松原聰などにより、岩手県の田野畑鉱山で発見された[1]。化学組成はKNa2LiMn2V2Si8O24で、単斜晶系。現在、1mmほどのオリーブグリーン色の粒のみ発見されている。
マンガン海王石(Manganoneptunite、KNa2Li(Mn2+,Fe2+)2Ti2Si8O24)のチタンをバナジウムで置換した組成をもつ鉱物であるため、海王石の由来であるローマの海神ネプトゥーヌスにあやかり、日本の海神をあらわすわたつみをその名とした[2]。
脚注
- ^ Matsubara, S. et al. (2003): Watatsumiite, KNa2LiMn2V2Si8O24, a new mineral from the Tanohata mine, Iwate Prefecture, Japan. Jour. Mineral. Petrol. Sci., 98, 142-150.
- ^ 松原聰(著)「新鉱物発見物語」。名前にこだわるのも楽しみの一つ-わたつみ石。70-74頁。岩波書店、2006年。
関連項目
外部リンク