ぱくりとは、
概要
『広辞苑第七版』によると名詞としては以下のような意味を持つ。
- 大口を開けて食らい付くさま[3]。
- 煙草を吸うさま[3]。
- 割れ目や傷口が大きく広がるさま[3]。
- 店先の品物などをすばやく盗み取ること。かっぱらい。万引き[3]。
『現代擬音語擬態語用法辞典』では以下の通り。
- 口を開けて食べるさま[4]。
- 傷口、割れ目が口を開けるさま[4]。
- 窃盗または金銭の恐喝を表す。マイナスイメージの言語(名詞)。やくざ、不良仲間の隠語で一般には用いない[4]。
- 以上の隠語から、犯罪者が警察に逮捕されることも「パクられる」と表現する。
三省堂の『大辞林第二版』によれば、動詞形である「ぱくる」が語源とされる。
歴史
「盗み」という意味での「パクリ」は、明治時代から使われている[5][6][7]。当時より、女学生の万引き及び青年男性のパクリは問題となっていた[7]。
(窃盗やカツアゲを「ぱくり」と呼ぶことは不良の隠語であり、あまり一般的でないが)アイディアの盗用、作品の剽窃(盗作)、無断転載、無断流用などを「パクリ」と呼ぶことは昭和期から一般人も(くだけた言い方として)行っている。テレビのバラエティ番組でも、昭和期でも平成期でも、(カツアゲや窃盗を「パクリ」と言うことはほぼ無いが)作品の(ほぼそのままの)盗用やアイディアの盗用やネタの盗用を指して使うことはきわめて一般的である。(日本のテレビのお笑い芸人の世界では他の芸人の定番ネタをそのまま行うことはある種のタブーとされていて、ネタは独自のものを新たに創り出さなければならない、というのがある種の「暗黙のルール」だが)ある芸人の定番ネタを他の芸人がほとんど変えずに勝手に使うことも指している。
2000年以降では、インターネット上のSNS、キュレーションメディアなどでも用いられるようになっている。既存の作品のキャラクターや、作品の一連のアイディアなどを無断借用して自分の作品に使うこと、を指して使われたり、テレビの芸人のネタの盗用 等々を指して使われている。なお最近では「パクリ」の動詞形の「ぱくる」を活用させ、「Aがネタをぱくった」などと表現することも行われている。
また「ぱくる」と「ツイート」を合わせた「パクツイ」という表現もある[8][9]。
脚注
出典
- ^ 広辞苑第六版「ぱくり」
- ^ a b c d 大辞泉「ぱくり」
- ^ a b c d 『広辞苑 第七版』 岩波書店 2018年1月12日第一刷発行
- ^ a b c 『現代擬音語擬態語用法辞典』 東京堂出版 平成2002年9月30日初版発行
- ^ 「好奇心の恐る可きこと」『児童研究』第9巻第3号、日本児童研究会、明治39年(1906年)3月15日、37 - 38頁。「頃日東京市内の私立中等学校の男子生一部の間に「パクリ」という窃盗的所業が一種の流行の如くに行われて居るそうであるが、それは全く好奇心の実用から起るものが多いようである。「パクリ」というのは書物屋の店で書物をごまかして来たり、進んでは呉服屋で反物を窃取して来たりすることであるというが是等は最初一人の悪書生が実行したことが旨く見付けられずに済んだということからいろいろ方法を聞き自己も好奇心に駆られて之を試みるに至るのである。」(原文の旧字旧かな遣いを新字新かな遣いに改めて引用し、フリガナを補った)
- ^ 乙竹岩造 『不良児教育法』目黒書店、明治43年(1910年)11月25日、154頁。「同じような者が互に相集まって組を作り、そして俗に所謂パクリとか搔ッ攫いとか称えておりますが、かの奪掠などを行い」(原文の旧字旧かな遣いを新字新かな遣いに改めて引用し、フリガナを補った)
- ^ a b 村上浪六『浪六全集 第八編』、至誠堂書店、大正4年(1915年)1月5日、240頁。 「若き女の万引に相対して青年の学生に一時また世人の耳目を聳動せしめしパクリなるものあり、多くは書籍店頭の繁栄に乗じ或は勧工場の雑沓に出入して、加之も其盗品の最も高価なるを相互に誇れりという」(原文の旧字旧かな遣いを新字新かな遣いに改めて引用した。フリガナは原文による)
- ^ 認められるためならパクツイも--10代の歪んだ自己顕示欲とは cnet japan 2015年7月4日 2021年8月13日閲覧
- ^ 「パクツイ」とはどういう意味?やってはいけないこと? なにしろパソコン 2013年1月7日 2021年8月13日閲覧
関連項目
外部リンク
- ウィクショナリーには、ぱくりの項目があります。