『とん平のヘイ・ユウ・ブルース』(-ぺい-、Tompei's Hey You Blues)は、1973年(昭和48年)11月21日にリリースされた日本のシングルである。日本の俳優・左とん平の歌手デビューシングルである。1990年(平成2年)にスチャダラパーが再評価・サンプリングしたことで再度注目を浴び、1995年(平成7年)1月25日に、アナログ盤およびCDマキシシングルで再発売された。
概要
コミックリリーフの俳優としてテレビドラマ『時間ですよ』『非情のライセンス』等に出演していた左とん平が、ミッキー・カーチスのプロデュースでレコーディングし、歌手としてシングルデビューを果たした[1]。翌1974年(昭和49年)2月の時点で既に7万枚を売り上げるヒットになっている[1]。1974年(昭和49年)6月1日には、同じくカーチスのプロデュースで、セカンドシングル『とん平の酒びたり人生』(トリオレコード、3A-124)がリリースされている。
歌詞に含まれる「ヘイ・ユー ホワッチャー・ネーム? (HEY YOU WHAT'S YOUR NAME?)」とは、左が当時TBSテレビの深夜番組『ぎんざナイトナイト』などで披露していたギャグであり、元々はトニー谷のギャグである「あなたのお名前なんてえの」を英訳したものである[1]。
もっとも、左の「歌手デビュー」は、正確には、NHK人形劇『ひょっこりひょうたん島』の「グッバイジョウ編(第689回 - 第751回、1966年 - 1967年)」で、この時演じたグッバイジョウが歌う『グッバイジョウのテーマ』が電波に乗った初めての楽曲である。
作詞の郷伍郎は、1969年(昭和44年)の新谷のり子のヒット曲『フランシーヌの場合』の作曲者であり、同年のベッツィ&クリスのヒット曲『白い色は恋人の色』のシングルカップリング曲『パピルスの船に乗って』や、のちに「カルト歌謡」として知られた、1970年(昭和45年)の大城晋『資本論のブルース』の作詞作曲者である。
1995年、同シングルのCD再発売にあたって、セカンドシングルのAB面2曲、『とん平の酒びたり人生』(作詞・作曲大野真澄)、『続・東京っていい街だな』(作詞里吉しげみ、作曲深町純)も収録された。現在は、iTMSでもデジタル音源が発売されている[2]。
1990年のスチャダラパーの再評価後、本曲は大槻ケンヂ(1995年)、カンニング(2004年)らにカヴァーされているが、カンニング竹山は2021年にも、ジャズバンドCalmeraとのユニット「タケヤマカルメラ」名義で『ヘイ・ユウ・ブルース ~許せ、友よ~』として再カヴァーしている[3]。なお、カップリングの『東京っていい街だな』も、ECDが同名異曲(1993年)でサンプリングしている。
また、レコードのリリースから約半年後、『非情のライセンス』のスタッフも製作に参加していた『特別機動捜査隊』のエピソードの一つである「噂の女」(第649回、1974年4月10日放送)の劇中歌として本曲が採用されている。
収録曲
Side A
- とん平のヘイ・ユウ・ブルース
Side B
- 東京っていい街だな
- 作詞 : 郷伍郎、作曲 : 村岡健、 編曲 : 深町純
関連項目
参考文献
- 「『俺をスリコギにしちゃう』男 左とん平」『サンデー毎日』1974年2月17日号、126-128頁。(本曲のヒット当時に左や本曲に焦点を当てた特集記事)
註
外部リンク